今年最初の高等師範科は花嫁の着付です。普段目にする花嫁さんの打掛姿の中はどうなっているのでしょうか?今回は打掛を羽織る前の掛け下姿までを作ります。
花嫁着付は衣裳が重たいので二人の着付師が前と後ろをそれぞれ担当して着付けます。基本的には普段の着付けと同じですが花嫁ならではの着付注意もあります。
足袋、裾除けを着け肌襦袢の衿をたっぷり逸らせて背中が見えるくらいにしておきます。タオルを使って補正をしていきます。衣裳が重たいので腰回りに負担がかからないようにウエスト周りと背中の窪みを埋めたら帯が落ちないようにヒップの膨らみを多めに作ります。肩周りも重みに耐えられるよう体型に合わせて肩先や胸元もタオルや綿花で補正しておきます。やや丸みの掛かった身体ができましたらガーゼを使って丁寧に押さえながら巻いて行きます。長襦袢ではたっぷり衣紋を抜いて衿合わせは首の直ぐ下で直角に交わるようにして着丈を調節します。掛下着物は衿を添わせて胸元から決めて裾引き丈と裾窄まりに注意しながら腰紐、伊達巻きで整えます。帯は基本の文庫結びですが枕はしっかり背に咬ませるように俵型、掛下帯は袋帯の3分の2くらいの20センチ強の幅ですので1周目から幅出しをします。抱え帯を一文字に締めて筥迫、懐剣等を着けて仕上げます。